今回は、理系学生について考えてみたいと思います。
理系というと就職先の候補として、研究職が思い当たると思います。
学部によって希望就職先は異なるのが一般的ですが、学んできたことをそのまま活かせる研究職につけるのはほんの一部です。
例えば、バイオや生物系は大学の研究では手がかかるため、学生数は多いのですが、これも各企業の研究機関は少人数で運営されているため、倍率が高くなってしまいます。
また、農学系の出身者が希望する、食品メーカーの研究職は大変な倍率になります。大手の食品メーカーであっても、採用ポストが限られているため、内定の絶対数が少ないからです。
一方、工学系は、製造業の募集数が多いため、比較的就職しやすいといえます。大手から中小まで幅広く求人があります。
理系就職に関していえば、大学名にもよりますが、どちらかというと「どこの学部出身なのか」という部分が重視される側面があり、研究職に固執すると、就職がなかなか決まらない就職迷子状態になってしまう可能性があります。
研究職以外の理系の就職先は?
理系は、学んできた専門性以外でも、十分アピールできます。
ざっとあげると、以下のような3つの強みがあります。
これらの3点に着目し、アピールにつなげれば、文系の総合職が目指すような職種にもフィットするはずです。
1点目は、論理的に考える力(ロジカルシンキング)です。
論理的に整理し説明することは、様々な職種、特に営業の場面でも求められます。その思考様式が身につけていることは企業にとって魅力です。
なかなか一朝一夕には身につかないからです。
予算の見通しはもちろん、マーケットの数字を分析して行動計画に落としていくような局面でも力を発揮できます。
2点目は、学ぶ力です。
理系は文系よりも取得単位が多く、出席も厳しい科目も多いです。
一夜漬けでテストをクリアーするというより、継続的に学び続けなければなりません。
与えられた課題に対して、クイックラーニングし、自分のものとする力というものは、様々な仕事で活かせる側面が必ずあります。
3点目は、学部にもよりますが英語力です。ここはプラスアルファの部分ですが、理系の研究職を目指す方は、海外の論文も読み込みます。英語で論文を記述することもあるでしょう。英文科の学生よりも、読み書きについては英語力が高い場合もあると思います。
この部分に自信のある方は、海外支店がある企業、海外との仕事が日常的にある企業へのエントリーを考えてみてもいいのではないでしょうか。
理系を活かせる就職にこだわりたい人
メーカーによっては、品質管理系の仕事を文系・理系問わず募集している場合がありますが、特に理系はこの品質管理系の仕事には向いていると思います。
これは上記に紹介した、理系的強みが活かせる仕事なので、仕事を任せる側としては、理系出身者は安心な人材なのです。
理系の弱みは、コミュニケーション?
本当にそうでしょうか?
一般的なイメージとして、そのような偏見を持たれる場合もありますが、当然人によって千差万別です。
コミュニケーションとは他者との関係に、その人間関係については、アルバイトや研究室での振る舞い、サークルや部活などで、自分が他者とどう関わってきたかについて語れるようにはしておきましょう。
企業によって、人材の好みはバラバラです。
話すことが上手かったり、ものすごく社交的である必要はありません。
適切なコミュニケーションがとれることを伝えられれば問題ありません。
なお、筆者は、以前、研究職の方を対象に人事評価の仕事を行ったことがありますが、そこでハイパフォーマー(高業績をあげる人)とミドルパフォーマー(中位の業績をあげた人)との差がどこにあるかを分析したことがあります。
人材と業績の関係をみていくと、専門性よりも、他者と協働できるかというチームワーキングのうまさで、差がついていました。
研究の成果は、長期的に作り上げていくものなので、周囲と協働できる研究者でないと、なかなかよい業績はうみにくいようです。
理系就職される方は、専門性はもちろん、このチームワークについて、語れることがないかを意識しておくといいと思います。
理系人材は、自分が学んできた専門性を活かす方向以外にも、自分の選択肢を広げてみることで、就活においてより有利になれます。
ぜひ、様々な業界を視野に入れて、早期に動いてみてはいかがでしょうか。
理系の方は、時間のない方も多いと思います。
我々はそのような方にもアドバイスをしています。ESの添削等、メールでやりとりできるサービスも充実していますので、お気軽にご連絡ください。