今回は、採用における心理学の話です。
企業側、応募者、それぞれ人間だからこそ起きてしまう評価エラー(心理的エラー)を確認していくことで、選考面接でどういう勘違いが発生してしまうのかをご紹介します。
今回は、面接官側の立場から解説しますので、就職活動・転職活動をしている方は、こう思われているかもしれないと覚えておくといいと思います。
ハロー効果
応募者の部分的な印象で、その人全体の印象を推し量ってしまう傾向です。
いったん良い(悪い)と思うと、評価要素が全て良く(悪く)見えてしまうものです。
例えば、「面接での受け答えがうまいから、行動力もあるに違いない。他の評価項目を〇にしておこう」とする心理的傾向です。
寛大化傾向
面接官が応募者と同じような経験があったり(趣味や出身地)、選考前に一緒に過ごした時間がある場合(インターンシップ等)、ついつい甘く評価してしまうという傾向です。
論理的誤差
「体育会の幹部だから、リーダーシップがあるに違いない」という風に、関連ありそうな評価要素に同一あるいは類似した評価をしてしまう傾向です。
実際は当然違う場合もありますが「~ということは~だろう」と推測(あくまでも推測の域を出ません)して判断する傾向です。
対比誤差
仕事ができる優秀な社員が面接を担当すると起きてしまう可能性の高い傾向です。
これは自分の能力を基準にして評価してしまうというもので、「このぐらいはできるだろう」と自分目線で厳しく応募者を評価する傾向です。(一方、自分が苦手な分野に秀でた応募者は甘く評価してしまう場合もあります)
俺がルールブック型ともいわれます。
対比効果
直前に面接していた応募者が大変に優秀であった場合、次の応募者が実際には平均以上であっても、劣っているとして評価してしまう傾向です。(もしくはその逆のケース)
集団面接では、よく起きがちな傾向です。
情実評価
個人的な利害や感情で評価してしまう傾向です。
好き嫌いで評価する(例えば、顔が自分の好みだから〇をつけておこう)というような評価です。
ステレオタイプ評価
情実評価と似ている部分ですが、個人の思い込みで評価してしまう傾向です。
「字が下手な人は事務処理が苦手に決まってるから、うちの仕事には向いていない」とか「服装の趣味が少し独特だから、感性が鈍いにちがいない」と偏見をもとに評価してしまうというものです。
経験上、面接選考では、面接終了時に感じる「面接官の直感」というのは正しいことも多いです。
直感とは、過去に積み重ねてきた経験から養われた感覚ともいえますので、社会人10年以上の社員の直感は無視できない部分もあります。
ただし、第一印象に左右される直感は、「噛めば噛むほど味が出る(ゆっくりだが着実に成長し続け貢献する人材)」「地味だが粘り強く業務に取り組み結果を出す人材」を見逃してしまう可能性があります。
応募者からの立場でいえば、面接官も人間であり、上記のような思い込みをもって面接している可能性があるとおさえておきましょう。
その前提で対策をとるとすれば、選考時には、自分のネガティブな要素はなるべく排除しておくということになります。
例えば、ステレオタイプの面接官も存在することから、クセの強い服装や目を引くような変わったデザインの時計はなるべく控えて面接に臨むなど、外見上の配慮は必要でしょう。
特に「自分はこう思われがち」
と自覚している人はその対策を立てておくことも必要と思います。
服装や髪型などの部分で損してしまうのは、もったいないですが、意外にもこの外見上の部分で損してしまう人がいることを付け加えておきます。
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