「IT業界・SEについての誤解」
IT業界の中でもシステムエンジニア(以下SE)と聞くと、
・ひたすら1日中パソコンとにらめっこ
・プログラミングとか難しそう文系だし
・激務で35歳が限界説って聞いたことある
様々なイメージが一人歩きして、早々に志望業界からバッサリ切ってしまう特に文系の方が毎年居ますが、非常にもったいないです。
「IT業界と言っても種類は様々」
ひとことでIT業界と言っても、
(1)ECサイトを運営しているAmazonや楽天
(2)ポータルサイト運営のGoogleやヤフー
(3)ITコンサルティング会社であるアクセンチュアやアビームコンサルティング
(4)システムインテグレーター(SIer、エスアイヤー)と呼ばれるシステムの企画・構築、設計などを行うメーカー系では日立や富士通やNEC
(5)PCサーバーなどのハードウェアメーカーでは日本IBMや日本HP
(6)システム開発専業では最大手のNTTデータ
(7)独立系のSIerとして大塚商会や日本ユニシスやITホールディングス
(8)銀行や証券会社の情報システム部門がスピンオフしたシンクタンクである野村総合研究所や日本総合研究所
(9)情報システム子会社のユーザー系と呼ばれるみずほ情報総研やニッセイ情報テクノロジーやSCSK
(10)インターネット通信インフラを担うNTTグループやKDDI、ソフトバンク
(11)ソフトウェアメーカーの日本オラクルやオービックやワークスアプリケーションズ
(12)ソフトウェア開発会社(ソフトハウス)
ざっと切り分けただけでもこれだけ細分化することができます。
顧客の要望をもとに、その要望に合ったソフトウェアを個別に開発していく業務のことを「受託開発」と呼びます。
受託開発は、顧客から直接受注することもあれば(元請け)、顧客から受注した大手SIerの依頼を受けて開発を担当する「下請け」である二次請け、三次請けの仕事をしている企業もあります。
皆さんが想像している、
「IT業界の過酷な仕事のイメージ」は、おおもとである大手SIerから引き受けた仕事の下請け、さらにその下の孫請けのソフトウェア開発を客先に常駐して行う(12)のソフトハウスのイメージから来ているのだと思います。
客先常駐は、エンジニアが依頼主のもとへ「派遣」されて、そこでシステムのソフトウェア開発や保守管理等を行います。
期間は短期から長期まで様々。案件、プロジェクトごとに職場(派遣先)を転々とする。多様な企業の業務に携わることがでエンジニアとして幅広い知見を得ることができる点はメリットです。
しかし、顧客からしてみれば、派遣された技術者は「外注先の人」なので、常に監視下に置かれているので、精神的な窮屈さがあります。
それから、職場(常駐先)が案件ごとに変わるため、人間関係をその都度新たに構築していかなければならないしんどさもあるでしょう。
「情報システム構築の上流工程、下流工程」
一般的に、ものづくりをする際にはいきなりプログラミングから入るわけではありません。
1.顧客の経営や業務方針を踏まえシステムの利用目的や全体像、主な機能を考える。(企画)
2.システムが備えるべき機能(要件)を、利用者の意見を聴きながら具体的な機能・性能を決める。(要件定義)
3.決められた要件に沿って、ソフト、ハード、ネットワークなどの具体的な構成を決め設計する(設計・SE)。
4.ソフト(プログラム)を開発し、きちんと動くかどうか検証(テスト)を行う(開発・プログラマー)。
5.稼働状況を監視しつつ運用・保守をし不具合や障害が発生したら都度修理改善していく(保守)。
元請けである上流工程における要件定義等を行うのが大手SIerであったり、情報システム関連の子会社であったりします。
顧客(元請け)から下請け(二次・三次請け)と離れていけばいくほど、社内や客先でひたすらソフト開発やプログラミングを行う手足となり、仕事がブラックになる傾向にあります。
逆に、顧客直下のSIerやユーザー系(親会社が顧客)であれば、上流工程の企画や要件定義、設計に携わることができるのです。
ですから、IT業界全般や、SE職が過酷でブラックで激務と決めつけてしまうのは間違いで、元請け寄りの情報システム会社は優良企業がたくさん隠れているのです。
では、次回はなぜユーザー系がオススメなのか解説していきます。