毎年、様々な会社から就職希望・人気ランキングが発表されます。
新卒参考:
キャリタス就活2017
https://job.career-tasu.jp/2017/guide/study/ranking/
新卒就職人気ランキング(みん就)
http://www.nikki.ne.jp/event/20160428/
大学別にみた就職人気ランキング(東洋経済オンライン)
http://toyokeizai.net/articles/-/129426
既卒参考:
人気企業ランキング2016 社会人が働きたい企業
https://doda.jp/guide/popular/
働きがいのある会社ランキング 2016
https://hatarakigai.info/ranking/
新卒と既卒それぞれのランキングをながめてみると、新卒のランキングは、知名度が大きく影響していることに気づくと思います。
ランキング調査をするタイミングで、広告(特にテレビCM)を多く流している企業、普段、コンビニなどで見かける商品を販売しているBtoCの企業が上位にきています。
大学等の説明会の回数やインターンシップの受け入れ態勢、採用数の増加等でも順位は簡単に入れ替わるものです。
以前のエントリー、『入ってしまえば勝ち!』のはずが、、、でもふれましたが、大学受験と就職活動は異なります。会社の規模や人気という軸で、学校選びのように偏差値上位から志望するような受け方ではなく、自分自身が相対的に優秀なポジションをつかめるか、自分の性格と組織風土(社風)がマッチするかといった軸で選ぶ方が、入社後の活躍や働き甲斐につながります。
人気ランキングの落とし穴
今では、長らく理系学生のナンバーワン人気企業であったソニーもランキングの上位に入らないこともしばしばです。かつて1950年代、60年代は、繊維や鉄鋼が人気企業でしたが、いまこれらの企業が上位にくることはありません。
1980年代後半のバブル期には、メガバンクが上位に君臨していましたが、その後の不良債権の処理、リーマンショック以降は、順位を落とし続けました。歴史を振り返ると、今も昔もずっと人気であり続け、業績を伸ばし続けるエクセレント・カンパニーは存在しないと言っていいでしょう。
このように人気ランキングは、社会情勢や経済状態により、どんどん移り変わるような性質があるのです。
「人気ランキングの上位に入ると、世間体がいい」と考えて安易に目指した結果、入社後にずっと落ち目の業界であったということもあります。一度立ち止まって考えてみる必要があります。まずは、この部分をおさえておきましょう。
どう企業選びを考えるべきか?(業界チェンジの際も参考になる考え方)
企業に盛衰があるとすれば、業界全体がどうなっていくのか?というトレンドをおさえて、その上で企業選びをしていく必要があります。
業界・企業選びの大事な視点(ヒント)を2つ紹介します。
① 規制に守られていない(競争環境のある)業界かどうか?
手厚い政府の保護を受けてきた業界では、一般的に大きな変化に弱いといえます。過去、銀行業界は「金融自由化」の中で、金融テクノロジーの外資金融に大きく差をつけられ、大きな再編(合併や吸収)を繰り返してきました。
今後、電力などのインフラ、通信、放送なども含め、様々な業界における「自由化」はさらに加速していくものと思われます。
規制に守られてきた産業は、規制が緩和されると危機に突入する可能性があり、新しいノウハウを生み出してこなった場合は業績は悪化する(場合によっては生き残れなくなる)と覚えておきましょう。
② 独自の技術やノウハウがあり、その上にビジネスモデルを創っているか?
ここは一人で分析するのが難しい部分です。(ですので、我々のような会社に相談があるのでありがたい部分ではありますが・・・)
いうまでもなく、今後の大きな成長を支えるのは技術やノウハウといったソフトパワーです。そして、これらの創り出すのは「人」です。いつの時代も、先進国では高い付加価値を生み出すために人は働いてきました。
将来を予測することは非常に難しいのですが、国内外問わず、転職者がどのような産業や会社に興味を持っているのかをリサーチすることで見えてくる部分があります。(これは新卒の人気ランキングでは見えてきません)
さらに、企業規模によっては、
③ 海外展開をしているかどうか?
をみていくのも有効です。日本国内だけで充分に収益を上げており、いたずらに拡大路線をとらない堅実な企業もあります。
しかし、既に日本人口は減少に転じており、内需は減る一方ですので、活躍するエリアが日本だけの企業は、大きく伸びることはないと考えておいて、問題ないでしょう。
海外に支店があるレベルなのか、売上に占める海外比率が日本国内よりも高いかなど、いくつかの視点でチェックする必要があります。
企業ランキングは逆さに読め!
ご存知の通り、いまは世の中の変化が激しい時代です。2004年にサービスを開始し、2011年時点では日本最大のSNSであったmixiは、あっという間に「オワコン(終わったコンテンツ)」といわれるようになり、ゲームを主たる事業とする会社にビジネスモデルを変化してしまいました。
いまの大学生はmixiのアカウントを持っていない人も多いと思いますが、このようにダイナミックに変化していく時代であるということを再認識した上で、業界や企業の10年後を想像して、企業選びをおこなってください。
企業ランキングは、逆さに読むぐらいがちょうどいいのです。自分に合うサイズの靴や服は、ランキングでは計り知れません。企業選びも同様ではないでしょうか。
なお、企業選びについては、ランキングとは別物の、細かい判断軸や視点があります。
読者の方々には、この考え方をしっかり身に付けて、就職活動・転職活動を行ってほしいと思いますので、こちらについては、また別の機会にご紹介します。
[…] これは以前の記事「企業ランキングは逆さに読め!?」 「『入ってしまえば勝ち!』のはずが、、、」 でもお伝えした通りです。 […]
[…] 企業ランキングは逆さに読む!? […]