前回のエントリーでは、主に企業側からインターンシップ実施の実態をご紹介しました
・企業は早期に学生と接触したい
・企業は「応募者に良く思われたい」ために、インターンシップのプログラムを構築している
という事情をお知らせしたと思います。
今回は、応募者側からインターンシップをみてみます。
応募側から見たインターンシップの意味
インターンシップでは、なかなか企業の本音がみえてきませんが、参加する意味は当然あります。
実態は採用選考と関係がある以上、チャンスがあれば、どんどん参加して動いてみることをお勧めます。その理由は、大きく以下の通りとなります。
①インターンシップで好印象を残せれば、本採用の選考でショートカットできること
前回のエントリーでも書きましたが、インターンシップは、採用選考の前哨戦的意味合いがあります。
「優秀な学生だ」「彼、彼女と一緒に働きたい」といった良い印象を社員に残せれば、人事にその情報を報告する会社はたくさんあります。(人事がそれを現場に要請している場合もあります)
ここで良い印象を残せると、本選考にエントリーした際に、
・ES(エントリーシート)を通過させてくれる
・適性検査や筆記試験で、少し点数が足りなくても通過させてくれる
・(企業によっては)面接回数を少なくして選考を進めてくれる
等のメリットがあるのです。
たかがインターンシップととらえず、自分なりに努力することで選考を有利に進めることができる、非常に実りあるものなるのがインターンシップです。
特に、いわゆる大企業では、初期の選考であるESや適性検査、集団面接の選考で優遇してくれるだけで、その後の通過倍率が全く違ってきます。例えば、ESを1万人程度が提出してくる人気企業の場合、その後の適性検査を受けることができる人は、多くて3割ではないでしょうか。そして適性検査を実施してさらに人数を絞り込んでから面接選考に進めるところも多いのです。
この適性検査ですが、企業は一人あたり、数千円を適性検査に支払っており、数千人規模に実施して添削するとかなりのお金がかかっています。(適性検査や筆記試験については、また別の機会にご紹介しますね)
ここを通過できるだけで、だいぶ「有利」になるのです。企業は、多大な採用コスト(面接官の時間を割いたり、採用に費用をかけること)を支払っています。インターンシップでの評価は、採用に影響すると思って真剣に取り組むことをお勧めします。
②強く入社を希望している会社であれば、インターンシップは絶好のOB・OG訪問へつなげるチャンスとなること
次に、社員と触れ合う機会がある以上、仕事上の会話、昼食をともにする機会、雑談する時間もあるかと思います。
「これは!」と思った社員、特にお世話になった方には、メールアドレスを聞いて(できれば名刺を頂いて)連絡するようにしてください。連絡先を聞いた際に、ぜひ「改めてOB・OG訪問させて頂きたい」旨を伝えるといいでしょう。人間は直接言われると断りにくいものです。ダメ元でぜひトライしてください。(これを実行しない学生は多いので、ぜひ自分から動いてみてください)
同年代の声をかけやすい社員はもちろん、入社10年目以上の社員や中途入社で転職している社員の連絡先も聞けると幅広く情報収集ができます。企業によっては、OB・OG訪問で誰に会ったかを確認するところがあります。自分の熱意をアピールするには、社員訪問をしたという事実も有効となる場合がありますので、その機会を自らつくり、動いてみるといいと思います。
なお、改めて社員に会う際には、インターンシップでお世話になったお礼の言葉を忘れずに!
③インターンシップでは、やり方次第で社風を感じる機会があること
最後ですが、なかなかインターンシップではみえてこない社風ですが、そこで知り合った社員、仲良くなった社員がいれば、ぜひ飲みに連れて行ってもらうことをお勧めします。
もし断られれば脈がないかもしれませんが、「後日でもいいので、ぜひ●●さんの話が聞きたいです。ぜひお願いします」と伝えれば、きっと世話好きな社員なら連れて行ってくれるでしょう。
もし、一人だと気まずい場合(例えば異性の場合等)は、他にインターンシップに参加している学生にも声をかけて一緒にお願いしてみるといいでしょう。
飲みの席では、当たり前ですが食べたり飲んだりに集中しすぎないようにしてください。あくまでも、目的は、情報収集にあります。では、どんな情報収集か。それは、端的に言えば「志望動機づくり」のための情報収集となります。
ヒアリング内容ですが、できれば以下のようなことを聞いてみてください。
・入社前と入社後のギャップについて
・入社して短期で辞める人はいるか? いる場合は、その理由はなにが多いのか?
・どのようにお金を稼いでいるビジネスモデルなのか?(どのように稼いでいるかを理解しないとビジネスがみえてきませんが、インターンシップだけではわからないこともあるはずです)
・どういう社員が活躍しているか?
・なぜ競合の他社ではなく、この会社を選択したか?
これらの質問は、インターンシップ中はもちろん、OB・OG訪問で聞いてもいいと思いますが、聞きにくい内容もあると思いますので、食事をともにしながらヒアリングできるとより良いと思います。当日は、重要な情報で忘れたくなければ、一言ことわってメモをとってもいいと思います。
実際に働いている社員だからこその生の情報を得られることは貴重ですが、会社の中だとカッコつけたり、ぶっちゃけトークをしてくれない場合があるので、くだけた雰囲気で聞けるチャンスがあればぜひ活用してください。
もし「夜はちょっと・・・(ごめんね)」とやんわり断られた場合は、日中のお昼に改めてご一緒できないか聞いてみるといいでしょう。それで断られたら、いったん諦めればいいと思います。こういうのも縁ですので、気にせず次にいきましょう。
ところで、弊社は、応募者の味方として就活者や転職者のアドバイスをしています。その立場から、あえて「ずるい言い方」をしますが、インターンシップや社員訪問は、志望動機を伝える際に便利です。
インターンシップで感じた雰囲気を具体的に伝え、「~だから、一緒に働きたいと思った」とか、「御社のこういうところが、自分の性格的強みとマッチしていると思った(つまり活躍できると考えている)」と言い切れるようになります。同業他社もある中で「なぜ御社なのか?」という答えにくい部分を伝えることは、面接という会話をスムーズに進める上での有効です。
まとめ
・インターンシップは選考プロセスでもあるので、そこでの努力と成果次第で、選考を有利に進められる。
・インターンシップは情報収集の場として活用できる。インターンシップ期間はもちろん、連絡先を聞いて社員訪問の依頼をしておくことで、後日の会社訪問の機会をつくれる。
1月は、インターンシップ応募の締め切りも増えてきます。積極的に参加し、同級生以外との会話量を増やし、「社会人慣れ」してみてはいかがでしょうか?健闘をお祈りします。
なお、弊社では、インターンシップ選考のES添削等も行っています。適切なアドバイスをさせて頂きますので、わからないことがある方は、是非ご活用くださいね。