大手企業(大企業)とは
本題の前に、大手企業(以下、大企業)とは、中小企業基本法の枠外を超える企業であるとするならば、業種によって違いはあるものの、メーカーで言えば、資本金の出資総額が3億円以上、従業員300人以上とされています。
参考 中小企業庁
http://www.chusho.meti.go.jp/faq/faq/faq01_teigi.htm#q1
ただ、東証一部上場企業を見ると、最も従業員の多い東日本旅客鉄道は約5万人、三菱UFJフィナンシャルグループが約3.5万人、ホンダが約2.2万人なので、一般的に想像する大企業は、平均すると1000人はゆうに超えてきます。
また、上場企業2218社の2016年3月期の平均年間給与は前期比1.2%増の622万3000円。(東京商工リサーチ調べ)。売上高を見てみると、トップのトヨタ自動車で約28兆円、ソニーが約8.1兆円、三菱商事で約6.9兆円ですから、これも平均値をとれば1000億円規模に乗せてくる企業を大企業としても大げさではないと思います。
整理しますと、
<大企業>
・資本金3億円以上
・従業員数1000人以上
・売上高約1000億円以上
・平均年収(給与)約600万円以上
と仮定することができます。
大企業と中小企業のメリット・デメリット
さて、大企業であることのメリット・デメリットは人それぞれですが、これも一般的には、業績、雇用、給与、労働環境が安定している。福利厚生などの待遇が良い、社会的評価が高い、などが挙げられます。
逆に、デメリットはどうでしょうか。出世競争がある、裁量の権限が少ない、転勤がある、特定の仕事に限定されてしまう、などでしょうか。
とはいえ、 中小企業は、日本の企業の99%を占めています 。ですので、大企業に入社することは、1%以下の狭き門であることは間違いないです。
一方、中小企業はどうでしょう。
メリットは、裁量の範囲が広く、若いうちから色んな分野の職務経験が積める。支社や支店が無ければ転勤がない。顔と名前が全員一致する規模感のため、仲間意識が生まれやすい。
逆に、よく言われるデメリットは、給与が低い、労働環境が悪い、業績が不安定、知名度の低さ、といったところでしょうか。
ここまでは、主に給与や業績など、客観的に数値で比較可能な面を取り上げてきましたが、本当にこれだけで判断できるでしょうか。
転職理由のホンネとタテマエ
もちろん、やりたい仕事がほかにあって、今の職場ではそれが実現できない。または、会社の将来性に不安があったり、給与面の不満ということは多いに考えられます。しかし、転職理由のタテマエではない本音としては、人間関係を含めた「社風と自分がマッチしていない」という方は、少なくありません。
経営者や上司とソリが合わない。同僚や後輩とうまくいかない。そのような人間関係で悩み、転職する人が多いことも事実です。
人間関係ということであれば、大企業でも中小企業でも関係ありません。人と関わらない仕事はほぼ皆無ですから、今の現状から逃げ出したいから、転職をするという後ろ向きな理由は面接で見抜かれます。
本題に入りますが、
あなたは、なぜ転職したいのでしょうか。
なぜ、大企業にこだわるのでしょうか。
ここではないどこかへ行けば、今の問題は、全てキレイに解決できるのでしょうか。 いくら頑張って転職活動をして大企業に入社できたとしても、また社風が合わないとなってしまったら、それは徒労に終わり、だったら転職しない方がマシだったということにもなりかねません。
ですから、給与や業績の安定性といった、表面的・定数的な見かたも大事ですが、仲間との相性や居心地の良さ、部署が異動してもモチベーションを切らさずにやっていける強い動機を保てるかどうか、などの内発的・定性的な面も考えた上で、転職先を決めることを勧めます。
働くのは自分。誰にとっても1番な会社を目指す必要はない。
皆が同じ車に乗り、同じ服を着たら幸せかというと、それではありません。 それぞれに価値や判断基準は異なり、したがって幸せの基準も異なります。
就活・転職活動もそれと同じで、あなたの基準があり、あなたの価値観が転職活動の勝敗を決めます。親御さんや、友人の価値観ではなく『あなたの価値観』です。
ですから、大手、中小という単純な二極構造で考えずに、また、誰にとってもベストカンパニーでもない、自分にとってのグッドカンパニーを目指してください。 そして、自分が最も大切にしている判断軸や価値基準はなにか、という原点から、転職するかしないかも含めて考えてみてください。
『俺のキャリアセンター』は、ESの添削や個別カウンセリングだけではなく、企業選びの段階から、誰にとってもベストカンパニーではない、 あなたにとってのグッドカンパニーに巡り合えるように、ともに支援していきます。