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【広告代理店で働きたい方必見】広告代理店の実態 その1

投稿日:2017年12月19日 更新日:

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広告代理店の仕事とは?実際の現場は?

 

毎年、大手では、数万人以上の応募者が殺到し、その中から100名程度、規模によっては数十名にも満たない採用をする狭き門、それが超人気業界の広告代理店の新卒採用の実態です。

 

もともとは、広告主が出したい媒体(メディア)の広告枠を広告主(通常クライアントと呼ばれます)の代理で仕入れてきたことから、‟代理店“と呼ばれていましたが、近年は、広告に限らず、イベント制作やプロモーション(販売促進のためのキャンペーンやイベント)、PR活動など幅広くコミュニケーションに関する業務を行うことから、広告会社と呼ばれたりもします。

 

余談ですが、代理店の由来となった「メディア(media)」は、ミディアム(medium)という中間を意味する言葉の複数形です。人と企業の間に立つ役割がミディアム、この複数形をメディアといいます。

 

広告メディアには、様々な種類があり、新聞、雑誌、TV、ラジオといった古くからある広告媒体に加え、インターネット広告、屋外広告、チラシ、交通広告など、規模もそれぞれ違います。

 

当然、広告枠の販売価格も様々です。大きな代理店ほど、TV広告のような大きな売上の扱いがあります。TV広告は非常に高価であるため、予算に多額のお金をかけられる大手企業が中心となります。メジャーなクライアントを抱え、わかりやすい(人の目につきやすい)広告の仕事をやっているのは、ほとんどが大手広告代理店です。

 

ただし、広告は出版物や映画と違い、仕事でかかわった代理店の名前は明記されません。華やかそうにみえますが、超地味な業務の積み重ねです。

 

また、電通や博報堂や上位の代理店は、給与レベルも高いですが、中堅以下の代理店(業界10位以下)については、決して厚遇といえるレベルの年収でもないことを伝えておきます。

 

さて、TVCMで活躍するタレントの華やかなイメージ、クリエイティブな仕事の匂い、コミュニケーションでトレンドを創るといった世間的雰囲気で、人気を集めていますが、実際にはどんな仕事なのでしょうか。

 

今回は、広告代理店の営業という仕事をみてみたいと思います。

 

 

 

広告代理店の営業の仕事

広告代理店といっても、規模によって仕事内容は異なります。中規模以下では、交通広告の専門代理店やチラシなどに特化した会社もあります。ここでは、TVやインターネット広告からイベントまで、コミュニケーション全般を扱う「総合広告代理店」をみていきます。

 

一般的に、営業部門とその他管理やスタッフ部門の割合は、7:3ぐらいですが、広告代理店は半数以上が営業部門の人間で構成されます。この営業の仕事ですが、大きな会社では、あらかじめクライアント(広告主)が割り振られており、定期的に得意先のクライアントを訪問しながら、仕事を進めます。中堅以下の代理店であれば、新規の顧客の開拓率が高く、競合他社が扱っている広告をチェックして、新規で提案チャンスをもらってくるような営業の仕事も多いです。

 

クライアントからは、例えば、以下のような相談(オリエンテーション)があります。※もちろん実際はもっと細かいのですが、就活では詳細情報は必要ありませんので割愛します。

「〇月に新商品を出す。販売目標は〇〇で昨年の120%、市場での認知率は〇〇を目指したい。最適なメディアプランの提出とクリエイティブ案を出してほしい」

とか

「売れ行きの悪い商品があるので、テコ入れしたい。新たにキャンペーンを実施して、コンビニに今まで以上においてもらえるようなキャンペーンを実施したい」

などです。クライアントからは、それぞれターゲット(購入してもらいたい年齢や性別などの属性)や予算の提示もセットでされることも多いです。

 

このオリエンテーションに対して、代理店として提案(プレゼンテーション)し、実施案を固めていくのが営業の役目です。

 

提案は競合と競う形式(コンペ)もあれば、指名で受注(AEといいます)もありますが、オリエンから、短いと数日、通常は2週間以内に提案内容をまとめてプレゼンに臨むことが多いです。

 

代理店営業は、プレゼンまでの限られた時間の中で、様々な社内のスタッフ(マーケティング、クリエイティブ、プロモーション、メディア)と打ち合わせをして提案内容をまとめていく作業に追われます。各スタッフの仕事について興味ある方は、ネット等でいろいろ調べてみてください。

 

 

 

営業はひたすら「調整」する!

さて、スタッフは、社内の営業から依頼されるクライアントの仕事をやっている(ただし競合する業界のクライアントは担当しません)ので、営業以上に細かく担当をもっている場合がほとんどです。よって、「なかなかつかまらない(連絡がとれない)」ということも起こります。

 

営業は、プレゼンに向けて、各スタッフとのやりとり、クライアントに対する追加の情報収集等で一気に忙しくなります。

 

そして、実際に提案内容が通り、実施(受注)となってからがいよいよ本番です。やっと売上が立つ仕事に移れるのですが、ここで様々な調整業務があるのです。

 

たとえば、「屋外のイベントを実施する予定だったが、当日の天候不良を考慮して屋内のイベントに切り替えたい」とか、「提案時点でCMに起用する予定だったタレントの都合がつかなくなった」とか、様々な予期せぬトラブルは日常茶飯事です。

 

他には、スポンサーとして提供したいTV番組が他のクライアントが入っていてNGになってしまった(例えば、化粧品メーカーが先に決まってしまったので、担当する化粧品クライアントの申し込みがダメになった)などは、よく発生します‟事件“です。

 

また、例えば、ポスターのデザイン案を出しても、クライアントの上層部や役員に見せたら、「もっと違う案を見てみたい」とか「言いたいことを盛り込んだらわかりにくくなったので、シンプルにまとめ直してほしい」等の要請で、急ぎ修正をかけたりもします。営業はデザインの専門家ではありませんので、急ぎの修正はクリエイティブのスタッフに再依頼することで、別の提案を出すように働きかけます。

 

このようにクライアント(広告主)とスタッフとの間に立って、ひたすら調整していく営業の仕事なのです。

 

調整というと聞こえはいいのですが、社外と社内の双方から板挟みに合い、なんとか予算達成のために数字をつくるような泥臭い仕事です。これをタイミングによっては、複数のクライアントで回していくのです。

 

 

以上、ざっとみても大変さがわかるかと思います。

 

では、営業は、日々の仕事に追われる日々の中で、所謂「クリエイティブな発想」が求められるのでしょうか。続きは、また改めてお知らせします。

 

なお、弊社には大手広告代理店の採用担当経験のあるアドバイザーがおります。上記のような内容をふまえた上で、ぜひ応募したい方には、より実践的なアドバイスができますので、ぜひご相談ください。

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アドバイザー 村岡 篤
大手広告代理店の元人事(採用担当)。現在は独立し、企業の採用支援等に従事のべ10,000人以上に対する面談実績。その人の魅力・武器を最大限に磨き上げ、転職・就活による学歴下克上多数、超難関職種(アナウンサー等)の内定実績多数。